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インストアライブも続々決定! ■9/23(土)12:00〜タワレコ難波店5F ■9/25(月)21:00〜タワレコ新宿店7階 ■9/30(土)15:00〜タワレコ横浜ビブレ店 ■10/8(日)18:00〜タワレコ川崎店 ■11/12(日)12:00〜タワレコ名古屋パルコ店 ■11/23(木・祝)12:00〜タワレコ札幌ピヴォ店 購入者特典・インストアライブの詳細はこちら
初回盤 DISC 2 Trailer 公開中!
[LIVE]タイアップは君だ / ロックンロールバンド / チャンチャンチャンスDEダンダンダンス / オマエだけのブルースが鳴ってる / ギラギラBODY&SOUL / はっきよい / 己 STAND UP
最高傑作を超えて辿り着いた最新作への自信
『YOU GOT 超 HIGH TENSION』メンバー全員インタビュー パート1
HERE1年半ぶりの新作は、バンドの転換点となった『タイアップは君だ』、『LET’S GO CRAZY』の2枚のシングルを軸に、更にバンドを未知の領域へ引きあげる野心あふれる楽曲を収録した意欲作。バンド最大キャパの代官山UNIT公演や、クラウドファンディングで実現したリキッドルームフリーワンマンで地力を高めた現在だからこそ辿り着いた『YOU GOT 超 HIGH TENSION』。アルバムタイトルどおりハイテンションのままスピードを上げ続ける彼らはいったいどこまで行くのか? ツアーを前にメンバー(+壱くん)にアルバムの手応えを聴いてみた。
(取材・撮影/高畠正人【ライター&爆裂写真家】)
コンセプトは“ハイテンション”
--4枚目のアルバムが完成しましたね! 手応えはどうですか? 尾形「毎回、アルバムが完成するたびに最高のものができたって言ってますけど、今回も間違いなくっ!!!!、最高のものができましたっ」 三橋「また新しいHEREが見せることができたので手応えはバッチリです」 壱「今回は時間もかけたし、こだわる部分もちゃんとこだわらせて貰ったし、楽曲の幅も広がったし、今まで一番いいアルバムだと自分も思います」 武田「HEREの限られている予算と時間を可能な限り使い切ったんで、そのぶんのものはしっかりできたと思います。これを聴いたみんながさらにお金を遣ってくれる価値のあるものになったと思います」 宮野「あえて言うなら、今まででいちばん繰り返し聴けるアルバムになっているんじゃないかな。何度も聴けるっていうのはいいアルバムの証拠だと思うので。僕もよく聴いています」 --前作の『ハッスル』がかなり良い仕上がりだったので、その次のアルバムということでプレッシャーを感じたりしたのでは? 尾形「確かに『ハッスル』が良かっただけに超えられるかなと思ってたんですが、出来上がってみたら、余裕でしたね!(笑)」 全員「(笑)」 武田「まあ、余裕でしたね!」 尾形「ただ、アルバムを作るにあたって全体像が見えていたのは僕だけだったと思います。他のメンバーにはなんの説明もしていませんし、着地点を説明しないままアルバム制作にはいりましたから」 --そういうもの? 尾形「『ハッスル』には序章と終章が入っているんですけど、あれは急遽、入れたんです。今回は最初からオープニングとエンディングを入れる方向で考えていたんですけどメンバーはどういう方向になるのかまったくわかってなかったと思います」 三橋「確かにオープニングはああなるとは思ってなかったです」 --前回は“ハッスル”がコンセプトだったわけど、今回は? 尾形「ずっと“日本でもっともハイテンションのロックバンドHEREです”と言い続けてきて、やっと浸透してきたので、今こそ“ハイテンション”をコンセプトにしたアルバムを作るタイミングだろうと」 --最近はお客さんも慣れてきたみたいで、みんなのなかでハイテンション=HEREサウンドになっているから違和感はないかも。
3rd Album『ハッスル』
初回限定盤(CD+DVD)HERE-005 / ¥3,500 (tax out)
通常盤(CDのみ)HERE-006 / ¥2,400 (tax out)
HERE史上、最高の生地を使った新衣装
--そういう意味ではアーティスト写真やアルバムのジャケットにも“ハイテンション”は表現されているね。 尾形「今回のアルバムを作っていくなかで、『LET'S GO CRAZY』ができて、『土壇場READY GO』ができて、オープニング曲を作っているときに、『GO』って単語をよく言ってるなって(笑)。どうせだったら、そのままハイテンションで飛び出していこうぜ! ってテーマでアルバムジャケットが作れればなあって。高畠さんにもそうお願いしました(笑)」 --ジャケットを撮影したカメラマンとして言わせて貰うと、尾形くんからは「『GO』って感じで!」しか言われてない(笑)。だけど、メンバーもそのキーワードひとつであのビジュアルのポーズができるんだから凄い。今回の撮影はズボンも破れなかったし、いつになくスムーズだったんじゃないかな。 武田「やることが決まってたし、時間も短かったですからね」 尾形「ただ、手足が一緒に出ている写真を選んじゃいましたけどね(笑)」 --そうそう。あれは撮影途中で、ちゃんと走っているバージョンも撮ったはず。 武田「気にしてたのに……」 尾形「写真を選ぶ段階になってどうしてもメンバーの顔がカッコいい写真を優先しちゃったんですよ。顔さえよければ手足はいいかなって(笑)」 三橋「まあ、たしかに高田純次バージョンのほうが構図としてはいいですよね。あれで良かったと思いますよ」 壱「いつにも増して今回のはヒーロー感があってはじめて見たとき「こうきたか~」って。宇宙に飛び出していく感じだなあって思いました」 --ぼくは土台の写真だけ撮って、加工はアートディレクターのtum.さんに任せちゃうんだけど、今回のメンバーがちぎれていく表現はとてもHEREに合っててカッコよかった。 宮野「あれは分子レベルで加速していくとか、オレが好きな『スタートレック』の転送装置のような。スピード感があっていいよね」 尾形「うん、そういうイメージはあったかもしれない」 --今回の衣装にも合ってたしね。 尾形「なにしろ今回はHERE史上最大量の生地を使いましたからね!」 --生地ね(笑)。よくも毎回、突飛な柄を見つけてくるね。 尾形「新宿のオカダヤに行ったら売ってました」 --衣装についてメンバーはなにも言わない? 武田「僕らは支給されるものを着るだけです」 --ハハハ。そういうものなんだ。 武田「最初に衣装を作るときに肩パットを入れて欲しいって言っただけですね。あ、でも今回の衣装はムロフェスのあとにもうちょっとウエストをタイトにして欲しいというお願いはしました。『LET'S GO CRAZY』の衣装が気に入っていたので、シルエットをもうちょっとすっきり見せたくて」 三橋「オレはロング丈って言っただけで、それ以降はずっと同じ型紙で作って貰っています」 宮野「ドラムなので、座ったときに足が動かしやすい衣装をお願いしています。そういや、今回の衣装、壱くんはまったく見ないままムロフェス当日に着たんだよね?」 壱「そうなんですよ! 鏡もなかったし。これを着ればいいんですね~って。置いてあるものを着たっていう」 宮野「今回の衣装の初披露はムロフェスだったんだけど、実はリハーサルが終って2分くらいの早着替えだったんですね。だから、壱くんはそこではじめて自分が着る衣装を見たんだよね。ライブ中も自分が何を着ているかわかってなかったっていう(笑)」 --確かにステージ裏は鏡もないから、何を着ているかわからなかったかも。ちなみにステージ裏にfolcaの裕也くんがいて、「オレはこれは似合わないなあ」って呟いていたけど、9mmの卓郎くんはピンクの衣装を着たことあるけど似合ってたよって言ったら、「そうか~、似合うか似合わないかじゃなくて、着るか着ないかなんですね」って言ってたよ。 武田「着ていくうちに衣装が自分に合ってくるようになるんですよ」 三橋「そのとおり」 --『YOU GOT 超 HIGH TENSION』は音とビジュアルが合致した作品になっていてHEREらしいのがいいと思う。 尾形「そこは細心の注意を払ったところです。まだPV撮影がまだですが、期待しててください」 (つづく)
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『YOU GOT 超 HIGH TENSION』メンバー全員インタビュー パート2
インビシブルマンズデスベッド再始動によるサウンドの変化
--『ハッスル』から1年半の期間が空いたわけだけど、そのあいだにバンド内では起こったことなどは? 尾形「一番、大きいのはインビシブルマンズデスベッドが復活したこと。それは大きいです」 --それはHEREとして? それとも尾形回帰として? 尾形「曲を作っているのは僕なので、尾形回帰としての変化かもしれません。具体的に言うと、自分のなかにあるマニアックな部分を全部インビシブルに押し付けられるようになったので、HEREを思い切りポップに吹っ切ることができるようになったのは大きいんじゃないかと」 --今まではそうではなかった? 尾形「アルバムの中にどうしてもデスベッド的な要素は入ってきてしまっていて、僕のなかでHEREではそれをいっさい排除したものを作りたいって思ってたので、インビシブルマンズデスベッドが復活したことによってそれができたのかなと」 --確かに2ndの『I WANNA EAT YOUR CHAOS』あたりは尾形くんのマニアックな要素が存分に出てるアルバムだからね。 尾形「そうですね。あと大きかったのはやはり私立恵比寿中学に楽曲を提供させて貰ったというのも大きいですね。あれをやったことで自分のなかで自信になりましたから。僕もJ-POPを作れるんだって」 武田「J-ROCKじゃなくて?」 尾形「J-ROCKって今どき言う? それはなんかさ……(笑)。そこはJ-POPでいいじゃない(笑)」 --『春休みモラトリアム中学生』を作ったことでバンド内で変化があったということ? 尾形「『春モラ』以降、HEREでも大胆に転調を入れたんです。例えば『タイアップは君だ』とかはその要素が多いはず」 武田「あれ以降、曲が覚えづらくなったね、転調するたびに「おおっ!?」って。演奏陣は大変です」 尾形「それまでの曲は出てくるコードが7つくらいだったのが、今は14個くらいになってますから。ただ『タイアップは君だ』とかは詰め込みすぎて複雑になりすぎたなっていうのが反省点としてあって、それを踏まえてもっとシンプルにしようと思って作ったのが『LET'S GO CRAZY』です
ワンコインシングル 「LET’S GO CRAZY」 2017.3.1 Release ワンコインシングル HERE-008 /¥500(+tax )
3rd EP 『タイアップは君だ.ep』 HERE-007 /¥1,500(tax in)
2nd Album 『I WANNA EAT YOUR CHAOS』 ¥2,400(tax in)
インビシブルマンズデスベッド 『屈辱』 [CD+DVD] 2017年3月1日『屈辱』発売 IMDB-001 / 3,000円(税抜)
精力的な個人活動で得た力
--他のメンバー的にはこの1年半の思いは? 三橋「オレはThe Flickersに参加したことは勉強になったなあと思っていて、HEREと全然違いますからね。同期サウンドで、テクノで、エフェクティブで。ギターの発想が広がったなあって思います。あと最近では9mmのサポートをやらせて貰ってギターの居どころについての見識は深まりましたね」 --ギターの居どころとは? 三橋「うん、レンジ感っていうのかな。音の広がり方とかどうやって作っているのかわかったし、ステージに立って弾いてみてわかったこともあるし。そういう知識の広がりは今回のアルバムで適用されたかなと思います」 武田「HEREのライブでもこの1年半くらいはサウンドをずっと悩んでて試行錯誤してましたからね」 尾形「壱くんに対してずっとリハーサルのときに言ってたよね」 武田「あはは。そうそう、ベースそこじゃねえって(笑)」 壱「言われてましたねえ。こっち? そっち? って」 --レンジ感って具体的に周波数とかを測るわけじゃないから感覚的なものだと思うけど、それぞれのパートがどこに位置して鳴らすかってことだよね? 武田「今までもやっていたんですけど、みんなの経験値があがった分、そこはシビアにいこうって話し合って、取り組んできたんですよね」 尾形「それこそ9mmチームからアドバイス貰ったり」 武田「そうそう。いろんな人たちからHEREはもっとこういう音作りをしたほうがいいんじゃない?ってアドバイスは貰ったね」 --武田くんが9mmにがっつり参加したっていうのはHEREにとっても大きなことだったね。 武田「そうっすね、僕はちょうど、7月末でサポートをはじめて1年だったんですけど、9mmに参加して得たものは大きいです。音色だったり、全体のバランスだったり、やっぱり一流の人たちの現場を経験させて貰ったことは勉強になりましたね。で、HEREに生かせることもとても多かったので、それを実践してみて、今、なかなかいいところにきつつあるかなっていう感じはしてます」 尾形「今まではけっこうみんな前に出ようとして、ボーカルの中音域に全楽器が集中してたんです。それはそれでいいかなと思ってやっていたんですけど、今は散らす方向になってきています。ベースは本来あるべき下に、ボーカルは真ん中にって」 武田「各自、いろんなバンドに参加したり、いろんなLIVEをみたり、あとで自分たちのライブ音源を聴いたりして、今はその方向になっています」
新しいことに挑戦するからこその居心地の悪さ
--HEREの屋台骨を守る宮野くんとしてはメンバーの成長をどう感じている? 宮野「感じるもなにもプレッシャーというか、この1年半というのは僕にとっても大きかったです。メンバーの基準値が一気にあがったわけですからね。これはね、本当にしんどくて……でも、それは凄くいいことだと思っています。居心地がいい状態っていうのは結局、成長していない状態なので、キツイって状況は実はお金を払ったり、お願いしてもなかなか得られないことだと思うんです。だから、凄い感謝しているし、メンバーが新しい扉を開いてバンドに戻ってきてるんでね、月並みな言い方だけど、頑張らないといけないなと思って日々過ごしてますよ」 武田「じゃあ、今は居心地が悪いんだ(笑)」 宮野「ハハハ。居心地が悪いってことは素晴らしいってことだって言いたいんだって。メンバー全員が共有しているコンフォートゾーンが凄く高い位置にあるということですからね。頑張るよ!」 三橋「バンドの状況が変わっていくのが一番いいことなんだと思います」 宮野「個人的な話になるけど、さいきん他の人のLIVEをみたときに感じるものもけっこう変わってきてて、前より他のバンドを見たくなっているんですよ。他のバンドのドラマーはどうなんだろうとか、全体で出している音はどうやって作っているんだろうとか。技術的なところで他のドラマーを気にするようになっていますね」 武田「だけどイチローが「他人と較べるのは意味はない」って言ってたよ(笑)」 宮野「オイッ!」 --壱くんは、メインでやってるユーノがゆーのに改名したり、バンドの音が大きく変わったりしつつ、HEREの変化も同時に経験しているわけで、ある意味で激動の1年半だったのでは? 壱「たしかにそうですね、変化、変化、ですね。凄い刺激的です。時間的な都合っていういうと変ですけど、新しいことをやろうとしたら労力も時間も使っちゃうから、大変なこともたくさんありますけど、でも、すげー楽しいっすよ! 音楽やってるって感じがします!」 武田「そういえば壱くんってベース歴はそんなに長くないんだよね?」 壱「正確に言うとベース歴は長いんですけど、バンドをやりはじめたのはハタチ過ぎてからなんです」 武田「え? ベースひとりでやってたの? マジ、ウケるね(笑)」 宮野「ひとりで家でベース弾いてたってこと?」 壱「たまにコピーバンドとか誘われたりしてやりましたけど、オリジナルバンドをやりはじめたのは24歳のときかな」 宮野「インビシブルマンズデスベッドはその頃、3枚くらいアルバム出してたね」 壱「ありがたい話、常に新しい話がちょっとづつ、ちょっとづつ、ありつつ、あんまりそんな停滞している時間がなくやれてきているなあっていうのはありますね」 三橋「ゆーのとHEREをやるってなかなかだと思いますよ」 尾形「さいきんは卓郎くんのソロバンドもやったりしてたよね?」 壱「それも凄くいい経験になりました」 (つづく)
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『YOU GOT 超 HIGH TENSION』メンバー全員インタビュー パート3
曲作りでも新たな方法に挑戦
--さて、ここからは『YOU GOT 超 HIGH TENSION』の本質である曲作りについて聞いていきたいと思います。レコーディングもこれまでのフリーダムスタジアムから伊豆スタジオに移って、バンド初の合宿形式のレコーディングでしたがそのへんはいかがでしたか? 尾形「良かったですよ」 宮野「西井くん(インビシブルマンズデスベッド)が言ってたけど、全体的な音がカラッとしてていいって言ってたね。その感想を聞いたときにレコーディング中、毎日天気がよくて、ああいうロッジのなかにスタジオがあるっていうのは何か影響があるのかなあと」 武田「スタジオが違うと音がぜんぜん違うっていうのがわかった気がしますね」 --しかも今回から大きく曲作りの方法が変わったとか? 尾形「以前は僕が作った曲をスタジオに持っていって、みんなで作っていたんですけど、今作からは僕が弾き語りで作った曲を武田に送って、アレンジしてもらうやり方にしました」 --これまでの方法はもうやってない? 尾形「そのパターンも何曲かありますね。今回の曲で言うと『土壇場READY GO』とか『ロックンロールバンド』とか『愛すべきエブリデイ』とか、半分くらいはスタジオでみんなで作ったのかな? で、それ以外の『LET'S GO CRAZY』とか『タイアップは君だ』とか『チャンチャンチャンスDEダンダンダンス』は武田がしっかりデモを作ってきてくれたものです」 --最初のデモは出来上がったものとは全然違う? 武田「そりゃあ、もう! 最高ですよ(笑)。弾き語りのデモ、今度みんなが聴けるところにアップしたいくらいですね!」 尾形「アップしちゃダメだよ。あれはあくまでもデモなんだからさ!」 武田「いや~みんなにも聴かせたいですけどね(笑)、あれを聴くのが一番楽しみです」 尾形「素材の味がするってやつだろ。メロディとコードしかないんだから」 武田「素材の味しかしないやつ(笑)。ツアー先とかでメールで送られてきたら、帰ったらこれ聴かなきゃいけないのかーって思いますからね(笑)」 --メロディとコードだけだと確かに素材のみの音源だから全然違うんだろうね。残りのパートは武田くんが? 尾形「歌詞ができていればそれも送ってます」 武田「受け取ったものに僕が簡単なリズムパターンを入れて、あとは自分のパートのギターを入れます。そこで一旦、回帰に渡して、そっからリズムパターンをどうするとか、音をどう足していくってやり取りを何度か。それが落ち着いたところでメンバーに渡して自分のパートを入れてくれっていいます」 --ツインギターの割り振りは? 武田「三橋くんのパートはまったく入れずに送っちゃうんですけど、オレがわりかし自分のパートをがっつり入れちゃってるんで、三橋くん的にはやることが決まってるかな。そのわりには自由にやってって渡してるけど(笑)」 三橋「武田さんが作ってくるデモに関しては、ノーアイデアですね。それをやっちゃうと武田さんのイメージが崩れちゃうんで」 武田「やって欲しいことがあるときは指定します。ここをこういう感じのギターを入れて欲しいって」 --三橋くんらしさが出ている曲といえば? 三橋「『土壇場READY GO』は初期のデモはオレが作ったのかな。だから、要素としてはかなり自分のテイストが多めですね」 尾形「あの曲はちょっと面白い成り立ちで。スタジオ練習のときになんとなく武田が9mmの曲を弾いてて、みっつーはみっつーで何かサウンドチェックの為になんでもないリフを弾いてて、それが僕にはお互いのフレーズが一瞬合ったように聴こえて「今の何? いいじゃん!」って。そこからざっくり口頭で説明してミッツーに清書して貰ったんです」 三橋「そう、一瞬のことあれに気づいた尾形さんは天才! スタジオ発信の曲ですね」 --一瞬の音からまさかMotorheadみたいな曲になるなんてロックンロールのマジックだね。宮野くんも得意パターンで叩きやすかったんじゃない? 宮野「好きな感じになりましたね。なんならMotorheadのコピーもやったことありますからね。好きな曲です」
バンド初のブラックミュージックに挑戦
--今回のアルバムでびっくりしたのはブラックミュージック要素がたっぷりの『早く大人になって』です。 尾形「家で音楽を聴くときってほとんどブラックミュージックが多いんですよね。もともとそういうのが好きなんで。なので、いつかはHEREでやってみようと狙っていたんです」 --心境の変化? 尾形「やっぱりインビシブルマンズデスベッドが復活したことが大きいですね。インビシ~ってポストロックの要素も入れていて、だけっどそういうのとブルースとかって真逆なんですよね。絶対に相容れない感じがして。だから、ポストロック的なアプローチのものはインビシ~に任せて、HEREではこれまでやりたくてもできなかったことに挑戦してみようって」 --いきなりの横ノリでけっこうお客さんも戸惑うと思いますよ? 尾形「どうなんでしょうね。だからそれもいわゆる王道だから、古いものをできるだけ新しい感じに響くようにやりたいなっていう」 --アルバムを1曲目から聴いていくと「おおっ!?」ってなると思います。 尾形「そうなるでしょうね(笑)。レコーディングのときに日下さんが武田のギターカッティングを聴きながら、「武田くんからナイル・ロジャースのようなカッティングが聴ける日がくるとは15年前だったら想像できなかったよ」って感慨深そうに言ってましたからね(笑)」 --確かに(笑)。インビシブルマンズデスベッドの武田将幸は絶対にナイル・ロジャースは弾かないイメージ。他のメンバーはどう受けいれた? 三橋「オレは好きなジャンルなんで楽しかったっすね」 尾形「今回のギターソロはわりとミッツーがバッキバキに弾いているところが多いし、もともと壱くんはレッチリあがりだし」 壱「そうっすね、好きな感じなんで。楽しかったすよ」 武田「そういう意味では要素がないのはオレと宮野だけですよ。まったくないですからね!」 宮野「まったくない!」 三橋「でも、要素がない人がやったら結果的に凄く面白いものができるんだから不思議っすよね~」 --確かに。ベタな展開の曲構成だと思うけど、どこかクセの強いHEREらしさがあるんだよね。 三橋「ニューウェーブっぽいんですよね。16ビートのノリが。白人的っていうか。まあ、めっちゃ日本人っすけど(笑)。いろんな化学反応が起きているんだと思います。レコーディングしているときにそれを感じて。ドラムテックをやってくれた三原(重夫)さんにちょっとドラムの音をGang of fourみたいなデッドな感じにしたら面白いですよって行ったら、「わかった!」ってけっこうガッテン言ってましたからね」 尾形「そうなんだ。Gang of fourにしちゃってたんだ(笑)」 三橋「そうなんです(笑)」 --今は、シングルの寄せ集めがアルバムみたいな状況があるけどHEREはアルバムならではの曲をちゃんと入れていてそこで冒険しているよね? 尾形「今回、『タイアップは君だ』が出て、『LET'S GO CRAZY』があって、そのあとに『チャンチャンチャンスDEダンダンダンス』ができたところで、言ってみれば推し曲的なアルバムの全体像は出揃ったので、じゃあちょっと後半は冒険してみようかって。だから、『早く大人になって』はワンコードでやりきったりとか今までのHEREでやってないこともやれてます」 --『タイアップは君だ』とか聴いてるととてもワンコードで乗り切るような作曲方法をやってるとは思えないからね(笑)。 尾形「作ってる最中はどうしてもコードを増やしたくなって、サビとかで変えたくなるんですけど、そこはグッと抑えてワンコードでやりましたね」 壱「ベースはコード進行がついているように聴こえちゃいますけど、隙間がけっこうたくさんあったんでいろいろ遊ばせて貰いましたね」 --『愛のドッジボール』も新境地といえなくもないですよね? 尾形「そのへんはドラムが苦戦していましたねえ」 宮野「ハハハ。苦戦しましたねえ。自分にないところですから。『早く大人になって』も『愛のドッジボール』も自分的には暗闇でもがく感じなんで(笑)」 尾形「なんかカッコいい感じで言ってますけど(笑)」 宮野「自分にないところに挑戦するっていうとカッコいいけど、挑戦するっていうのはハードルが見えてるじゃん。ここを飛ぶっていう?」 武田「あ、ハードル見えてないんだ」 宮野「それがさ、今の話の流れでわかると思うけど、どんな材質で、どれくらいの高さのハードルかがよくわからないんですよ。前にあるのか、後ろにあるのかもわからない。その五里霧中感っていうのはね、大変ですよ。僕は昔、『恋もこりごり五里霧中』(『愛のマスター』)って歌ったことあるけど、本当にそんな感じ」 尾形「なに上手いこと言ってんだよ(笑)。まあ、僕らも長くやってきているから、バンドがより音楽的になってきているんですよね。今までは8ビートだったものを16ビートに変えていこうとか、いろんな要素を入れていきたいというか。今、これができるようになったら今後の音楽人生がもっと楽しくなるだろうなって。ロックンロールライフがね」 宮野「バンドが、あるいはソングライターが新しい成長をしたい、ステップアップしたいっていったときには頑張らないとなって。うちのバンドは特にレコーディングのペースが早いからのんびりしちゃいられないわけです」 尾形「ぶっちゃけ、次のイメージできてるから!」 (つづく)
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『YOU GOT 超 HIGH TENSION』メンバー全員インタビュー パート4
『愛すべきエブリデイ』がライブを変える!?
--ギターのふたりに聞くけど、『YOU GOT 超 HIGH TENSION』のなかでギターに関して印象的なことや弾いてて楽しい曲は? 武田「アルバム特典DVDに映像が収録されてるんですけど、『DO YOU GET 超 HIGH TENSION?』のコーラスをしているときが楽しかったです。あれを聴くのが好きですね。あと、SG以外のギターで録音したのはじめてかも。『早く大人になって』と『DO YOU GET 超 HIGH TENSION?』では9mmの卓郎くんから借りているSNAPPERを使いました」 ※写真 左からJaguar(所有者:菅原卓郎)、ビンテージSG[1963](所有者:武田)、SNAPPER(所有者:菅原卓郎) --それは珍しい。 武田「具体的にはそれこそナイル・ロジャース的なカッティング用で使ってます(笑)」 三橋「ギターでいうと『愛すべきエブリデイ』のベーシックトラックを録ったとき、卓郎くんに借りたJaguarを使いました。あのJaguarのおかげでだいぶ雰囲気が優しくなったと思います」 --『愛すべきエブリデイ』はホントに名曲だと思う。 三橋「そうですね。HEREとして『愛すべきエヴリデイ』みたいなタイプの曲ができたのは嬉しいっていうか、画期的というか。ああいうライブのエンディングが映えそうなミドル・ロックってはじめてなんじゃないかな。オレが育ってきたBPM感というかロック感なので、あの曲はAerosmithのようなテンション感でやってます」 尾形「あの曲ができたからこそツアーのイメージができましたからね」 三橋「裏のギターソロだったり、アウトロで弾いているオブリガード的なギターソロとかはジョー・ペリーになった気持ちで弾いてます」 武田「あそこ、ジョー・ペリーだったんだ」 --宮野くんも王道ロックで叩くのは楽しかったんじゃない? 宮野「いや、めちゃくちゃ苦労しましたよ。むしろあの曲がいちばん苦労しましたよ(笑)。スタジアム・ロックの感じは好きだし、成功している景色は見えているんだけど、もう~めちゃくちゃ難しい(笑)。」 武田「得意と好きは、違うっていう」 三橋「丁寧にやらなきゃいけないものほど難しいんですよね」
今まで以上に歌に集中したレコーディング
--武田くんはここ1年半でいろんな現場を経験してスキルアップもしただろうけど、誰がみても忙しい状態でのレコーディングって大変だったんじゃない? 武田「伊豆スタジオにはいったのがGWだったんですけど、4.5.6月はちょうどHEREのスケジュールと9mmのスケジュールが入り乱れてて、9mmのLIVEやって、HEREのライブやって、HEREのスタジオ入って、9mmのリハーサルやってとか。毎日がそれで。で、新曲仕上げていかなきゃいけないって状況で、もうタノシイナー(棒読みで)って思いながらやってましたね。自分的にはそのときのギリギリ、MAXのものを出しているんですけど、毎回、もうちょっと出来たんじゃないかとは、個人的に思ってしまいますけどね……」 尾形「それは誰だってあるでしょう」 武田「え? ボーカルもそれはあるんですか(笑)」 尾形「ありますよ! 僕の歌に関しては最後の最後まで粘らせて貰ったといいますか、今回、4曲録りなおしていますからね! 『愛すべきエブリデイ』と『愛のドッジボール』と『タイアップは君だ』と『早く大人になってよ』。1回完パケしたはずなのに、「もう一回やるかって」 --今年の冬にできたばっかりの『愛すべきエブリデイ』を聴かせて貰ったけど、あのとき聴いた曲とはずいぶん変わったよね? 武田「高畠さんには最初のラフから聴いて貰っていますよね。あれからはずいぶん変わりました。歌を録り直すことに関してはふたりで話し合いつつ、周りの人の意見も聞きつつでしたけどね。もうちょっといけるんじゃないかってオレは思ってるけど回帰はどう?って(笑)。」 尾形「伊豆スタジオで3~4曲録ったのかな? で、そのあと武田とふたりでオレの自宅で録ったんですけど、そこが厳しくて(笑)」 武田「いやいや、もっとできると思ったからさ」 尾形「歌だけのことを言うと、スタジオで録ったやつより家で録ったもののほうが丁寧なんです」 武田「家のほうがリラックスしてるし、時間もまあ、ゆっくり使えるんで」 --歌がよくなったぶん『愛すべきエブリデイ』はライブで大化けするんじゃないかな? 尾形「これまでのHEREのライブは『感情超常現象』とかでぶち壊れて終わるのが定番でしたけど、最後は『愛すべきエブリデイ』をみんなでシンガロングして終わるっていう、大合唱して終わるっていう、新たなHEREのライブのイメージを見せたいなと思っているんです」 宮野「イメージ的にはみんなが好きな王道ロックですよ!」 --むしろなぜ今までこういう曲がなかったのか不思議。 尾形「難しいんですよね、歌が(笑)。」 武田「あと単純に王道ロックの曲って、ダサいものになる確率が高いんですけど、『愛すべきエブリデイ』はそれを避けつつ、いいところに着地させることができたなって」 三橋「そこはものすごい気にしましたね」 --では、最後にアルバムを聴く方にメッセージをお願いします! 壱「いつもいつもですけどさらに新しいHEREの魅力が見えてくると思うんで楽しんで聴いて欲しいと思います」 三橋「新境地だけど、レールとしてはHEREが歩んできた延長でもあるんで、今までの人もはじめてHEREを好きになった人も、満足していただけるアルバムが完成したと思っています。聴いてね!」 宮野「いろいろ良いことも大変なこともあったのでたぶん一生の思い出になるアルバムができたと思います」 --宮野くん家がレコーディング中に火事になったりという事件もあったし、忘れないでしょう。それは(笑)。 武田「新曲を出すたびに思うんですけど、ほんと買って聴いて欲しいと思います。で、まあ、今までのHEREの良いところと、新しく挑戦したことがふんだんに入っているアルバムなので、それをたくさん聴いて、いろんな人にオススメして欲しいと思います」 尾形「なんだかんだいって最後は僕の歌ですから! 今回もしっかり、滑り込みで、レコーディング最終日、ギリギリのところまで歌わせて貰ったので結果的にはもう、いい歌がとれたと思うんでぜひとも聴いてくださいっ!」
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